起業の際に業務用の電話回線を用意することは、ほぼ必須ですよね。名刺や案内に記載するための電話番号が必要ですし、また何らかの契約を結ぶ際や営業許可を得るときなど、個人で使っている電話番号とは別の番号が求められることもよくありますし。
ですが、まだ事業立ち上げ固定回線を引いてしまうことについては、コスト面や場所の制約の面から躊躇される方も多いはずです。事業が軌道に乗っていない段階で固定費を増やすことはどうかなというのもあります。
また起業当初はとりあえずの場所を事務所(会社の本店所在地)とすることも多いですから、そこに固定回線を引いてしまっても、事業が軌道に乗り始めたらすぐ場所を移転してしまうのであまり意味がないという状況もありえます。
固定電話の番号でスマートフォンから発着信できると便利
そんな状況においては、東京なら03など固定電話の番号で、スマートフォンから発着信ができると、なにかと便利です。起業直後に固定回線を引いて、初っ端から工事費やそこそこの維持費を発生させる必要がありませんし、暫定的な事務所(本店)所在地で後日すぐ移転するという状況においても、スマートフォンさえ持っていけば解決なわけですから。
ShaMo!はスマートフォンで固定電話の番号が利用できる
そんな起業時に重宝するサービスがShaMo!です。契約すると、東京区内の03、横浜の045など、固定電話の番号をスマートフォンで発着信可能になります。
専用のアプリを使った発着信なので、スマートフォンの元々の番号(090や080など)と使い分けることができますし、またどちらにかかってきた電話なのかも判断できるので、スマホ1台で便利に使い分けることができます。
着信だけなら、固定電話を引いてスマートフォンへ転送させれば同様の環境を構築できますが、この環境からだと着信した番号にかけ直す際、携帯電話の番号からの発信になってしまう欠点があります。
その点、ShaMo!はスマートフォンから発信するときも、専用アプリ経由で固定電話の番号からかけ直せますから、相手先の人にも「知らない携帯電話の番号からかかってきた!」と警戒される心配がありません(そしてかける側も、不用意に携帯電話の番号を教えてしまうデメリットが解消されます)
スマートフォンに専用のアプリを導入して利用する
ShaMo!を契約する際は、事務所(会社)の所在地の市外局番の固定電話番号が割り振られます。現在、札幌市などの011や東京03、横浜市045や大阪師等の06など、12の地域の固定電話番号が利用可能です。(市外局番以下の番号を選べる制度はありません)
割り振られた固定電話の番号で発信したり、着信を受けたりするためには、ShaMo!専用のアプリをスマートフォンに導入します。一度導入してしまえば、スマートフォンから携帯電話の番号でかけたいときにはこれまでどおり電話のアプリを、固定電話の番号でかけたいときにはShaMo!のアプリをタップして電話するだけなので、違和感や手間はほとんどありません。
携帯電話の番号で発信
固定電話の番号で発信
アプリのインターフェイスも、シンプルで分かりやすいです。
代表番号と個別番号の使い分けでより便利に
ShaMo!を契約すると、代表番号とユーザーごとの直通番号が発番されます。ShaMo!を社内複数人で利用するときは、ユーザー数だけライセンスを追加しますが、代表番号にかかってきた電話はすべてのShaMo!利用ユーザーに着信します。発信するときは、ユーザーごとに発番された直通番号からの発信になります。
もう少し具体的にいうと、社内複数人で利用する場合に会社の代表番号がxx-xxxx-0001だとすると、この番号にかかってきた電話はすべての社内ShaMo!ユーザーのスマートフォンで受電できます(着信音が鳴ります)。
代表番号にかかってきた電話にかけ直すときは、それぞれのユーザーに割り振られた直通番号からの発信になりますから、Aという社員の直通番号がXX-XXXX-0002であればその番号が相手先には表示されることになります。
つまり、代表番号はすべてのユーザーのスマートフォンに着信して通話することができますが、その代表番号自体から発信することはできない、ということです。
以上から、もしShaMo!を個人事業主や1人会社の社長が利用するというときは、代表番号のほうを名刺やウェブサイトに記載して周知するのではなく、直通番号のほうを周知する(代表番号のほうは寝かせてしまう)ほうが、発信・着信の電話番号を揃えることが可能なため便利かもしれません。
ユーザー1名あたりの月額料金は10名までなら900円
ShaMo!の料金ですが、固定電話や携帯電話と同様、基本使用料的な部分と通話料に分かれます。
ShaMo!では必ずかかる月額料金が「基本料金」と「ユーザーライセンス料金」に分かれていて、1名から10名で比較的小規模に利用する場合は1ユーザーあたり900円の「ユーザーライセンス料金」のみで維持が可能です。
ユーザーが11名以上となる場合は、「基本料金」が月に1.500円と「ユーザーライセンス料金」が1ユーザーあたり900円になります。
利用人数 | 基本料金 | ユーザーライセンス料金 |
---|---|---|
1 ~ 10名 | 0円 | 1名あたり900円 |
11名~ | 1,500円 |
起業直後に1名で契約する場合、維持費は(電話をかけなければ)900円で済んでしまいますから、急ぎ固定回線を引くよりもコスト面ではかなりお得です。
通話料金は、社内ユーザー間の通話(内線通話)は無料、外線通話は30秒20円ですから、一般的な携帯電話の料金とほぼ同じような料金で運用可能です。
通話料金 | |
---|---|
内線通話 | 無料 |
外線通話 | 30秒20円(課金は、国内・発信のみ) |
iPhoneとAndroidで利用できるが機種とアプリの相性がありそう
ShaMo!のアプリはiPhone用もAndroid用もリリースされているので、どちらのスマートフォンでも利用可能です。
音質は、携帯電話で普通に話しているのと違いがあまり分からない程度なので、普段仕事で利用するぶんには特に問題ないです。
もっとも、私はこれまでAndroidで2機種、iPhoneで2機種利用しましたが、Androidの1端末では音声が途切れ途切れになってしまったり、アプリをアクティブにしているのにいつの間にか待ち受け状態が解除されている(電話をかけても反応しない)ことがありました。
この辺は、アプリと端末の相性が悪いと使い勝手がかなり悪くなるなと感じました。(iPhoneは6でも7でも特に問題が生じなかったので、iOSのほうが安定しているのかもしれません。もっとも、使った端末の数が少ないので、実際のところはなんともですが)
以上、スマートフォンで固定電話番号の発着信が可能なShaMo!についてでした。FAXを利用する業種なら、合わせてeFaxを導入しておくと、オフィスの場所を選ばずに仕事ができるようになるので起業当初の機動性をよりアップできます。