先日、海外そして日本と立て続けに製品情報の発表があったSurfaceの新製品「Surface Go」。よりコンパクトに、持ち運びやすいモデルとして、2018年8月28日より日本でも販売が開始されます。
既に各所で様々な情報が公開され始めましたが、Surface Goは買いなのか?私個人は現在Surface Pro4を使っていますが、スペック表をもとにSurface Goの利便性について検討してみました。
Surface Goの主なスペック
個人向けSurface Goの現時点で発表されている主なスペックは、以下のようになっています。外観は、現行のSurface Proをほぼそのまま小型化したようなデザインになっているため、Surfaceシリーズ以外の何ものでもありませんね。
OS | Windows10 S (変更可) |
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Office | Microsoft Office Home & Business 2016 |
サイズ |
245 mm x 175 mm x 8.30 mm
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重さ | 522g (別売キーボード込み:765g) |
CPU |
Pentium Gold 4415Y
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グラフィック |
Intel HD Graphics 615
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メモリ | 4GB /8GB |
ストレージ | 64GB (eMMC) / 128GB (SSD) |
ディスプレイ | 10インチ 3:2(1800 x 1200) |
外部接続 | USB-C x 1 Surface タイプ カバー ポート microSDXC カードスロット x1 Surface Connectポート x1 ヘッドフォン ジャック |
価格 | 64GB / 64,800円(税別) 128GB / 82,800円(税別) |
タイプカバー (カバー型キーボード) |
別売 |
Surfaceペン | 別売 |
OSはアプリケーション等の導入方法が制限されるWindows 10のSモードがデフォルトですが、こちらは通常のWindows 10 Homeに無料で変更可能なので、特に問題は無さそうです。
Office「無し」の選択肢も「無し」
日本国内で発売されるSurface Goには、Office無しのモデルがありません。そのぶん、最安モデルの海外との価格差も開いたわけですが、これには各所からブーイングが出ているようです。
国内版に先立って発表された海外版は、Office無し399ドルのモデルがあります。このインパクトが強く、「日本国内での販売も、40,000円台になるのか!?」的な歓迎ムードがあったわけですが、発表された国内版は最安モデルでもOffice同梱で約7万円。
個人的には、
というのが正直なところです。
Office365を契約して以降、NECのHybrid ZEROしかり、Surface Pro 4しかり、パソコンを購入する度に無駄な数万円を払っています。Office365を別途契約している意味って、何なんでしょうね。
また、Surface GoのようにPC兼タブレット入門機としても機能しそうな商品については、Officeと無理に結びつけてビジネス方向へ無理に傾かせないほうが良いようにも思えます。
キーボードカバーやSurfaceペンを別途購入すると、総額はさらに上がるわけですから、無駄なOfficeの代金を支払うのは本当に無駄です。
サイズ・重量は普段持ち歩くのに良さそう
Surface Goはディスプレイが10インチであることから、Surface Pro等と比較してもかなりコンパクトなサイズです。Surface Proもそこまで大きなサイズではありませんが、それでもディスプレイが12.3インチあることから、縦、横、それなりのスペースを取ります。加えて、キーボードも含めてカバンに差し込むときは、厚みでなかなか収納しにくいことも。(この点、Macbook 12インチのほうが、本体が薄く、またフォルムも横から見るとくさび形をしていることから、カバンの空いたスペースに収納しやすいです)
Surface Goのサイズなら、それほど大きなカバンでなくとも、サッと収納して持ち歩きやすそうです。スペック的にそれほど高性能なわけではないので、気軽に持ち運べなければ利用シーンが限られてしまいますから。
重量的には、Surface Goをキーボード込みで小型のタブレットPCとして考えるなら、かなり健闘していると言えるのではないでしょうか。1kgを切ってくれば常にカバンに入れて持ち運ぶのもほとんど苦になりませんが、Surface Goは本体のみで522g、キーボード込みでも765gなので、この点は問題なさそうです。
CPUはPentium Gold
プロセッサはPentium G。使ったことがないので動作の機敏性等はわかりませんが、Surface Goはそもそもの設計意図からしてヘビーなアプリケーションをぶん回して使うような機種ではありませんし、最近のWindowsはCPUパワーが無くても(メモリがそこそこあれば)それなりに動くものも多いので、それほど心配する必要もないのなかなと。
Microsoftも、Surface Goという新しいラインアップの立ち上げで、そこまで重くなるCPUを搭載してくるとも思えませんし。
私は普段、モバイル用途にSurface Pro4の最下位モデル(m3)をMacbookと併用で使っていますが、普段の作業においては今まで処理速度が遅いと感じたことはほとんどありません。さすがに、初期設定で大量にアプリケーションを導入したりダウンロードしたり、あるいは大規模なWindowsのアップデートを適用するときには、m3だとのんびり感は否めませんが。
メモリは多めに積んでおきたい
搭載されているメモリは、4GBと8GBから選択可能ですが、4GBだとストレージが64GBのeMMC、8GBだと128GBのSSDになります。CPUがPentiumであることから、2,3年はまともに動いてもらいたいのであれば8GBのモデルを選択しておくほうが無難かなと。
私がいま使っているSurface Pro4は128GBのモデルですが、仕事用途に各クラウドストレージから必要ファイルを気にせず同期していると、あっという間に容量は埋まっていきます。作業内容が文章中心なら、128GBでも普通にやりくりできるかもしれませんが、一度に数百枚の写真が行き来することが多いため、128GBでも運用は結構ギリですね。
外部接続はUSB-Cポートの他にmicroSDスロット
外部接続用の端子は、USB-Cポートが1つ用意されています。すでにUSB-Cポート用の機器はかなり出回ってますから、標準のUSBポートでないと不便極まりないという状況は考えにくそうです。ポートが少なければ、ハブで分けてしまえばいいですし。
それと、Surface GoにもSurfadce Pro同様、microSD用のカードスロットが用意されたのは朗報ですね。
(写真はSurface Proのスロット)
ストレージ64GB版の購入を検討する場合でも、できるだけデータはmicroSDカードへ逃してしまうことで、本体内のストレージ消費を極力抑えることができますから。64GB版を購入するにしろ128GB版を購入するにしろ、microSDカードは容量の比較的大きなものを用意しておくと良さそうです。
タイプカバーとSurfaceペンは別売
キーボード兼カバーの役割を担うタイプカバー (Type Cover)と、画面に直接書き込めるSurfaceペンはそれぞれ別売の扱いです。
必要な人、不要な人、それぞれいるので別売になっているのは良いのですが……返す返すも本体がOffice同梱版しかないため、本体、タイプカバー、ペン、3つ揃えるとそれなりの価格になってしまうのが痛い。
単体(税抜) | |
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Surface Go Signature タイプカバー | 15,400円 |
Surfaceペン | 11,800円 |
Surface Proで使っている限り、タイプカバーもSurfaceペンもなかなか作り込まれていて使い勝手のよいデバイスなので、せっかくSurfaceを導入するなら、是非合わせて活用してもらいたいです。
(写真はSurface Pro用のタイプカバー)
タイプカバーのほうは、Surface Goのサイズに合わせてキーピッチ等も小さくなっているので、手のひらが大きい人だとちょっと窮屈になりそう。タッチパッドのサイズがSurface Pro用とほとんど変わらない点は、使い勝手が良さそうです。
で、Surface Goは買いなのか?
どうなんでしょう(笑)。正直、モノ自体は良さそうなので、Office無しのモデルが49,800円!とかでリリースされたら、かなりグラッと来たかもしれません。
Surface GoがOffice搭載モデルのみとなると、スペック面ではビジネス用途にメインでバリバリ活用するような機器ではありませんから、必然的にサブ機として検討することになりそうですよね。だとすると、Surface GoはiPadと比較検討をされることになるのかな。
であれば、なおさらOfficeバンドルのモデルしかないのは、価格面で訴求が弱くなっちゃう気がするんですよねぇ。
あとSurfaceはこれまで初期モデル、初期バージョンが動作不安定だったり完成度が「もうひと声!」だったりすることもあったので、迷われている方は発売直後に購入するのではなく、少し様子を見るなりマイナーチェンジ等を待つなりしても良いと思います。
今回のSurface Goですが、店頭モデルは2つに絞るにしても、ネット直販のモデルはOffice無しもカスタマイズできるとか、Microsoftにはあとひと押しの柔軟性が欲しかったかな。